「先生がいじめられる学校」が増えている。見えにくい教職員へのいじめとSNS時代の新たなリスク
「いじめ」と聞くと、多くの人は児童・生徒同士の問題を思い浮かべるかもしれません。
しかし近年、学校現場では別の問題も起きています。
それは、教職員が保護者や一部の児童・生徒、あるいはインターネット上で継続的な嫌がらせを受けるケースです。
しかも、その多くは暴力や暴言のような分かりやすいものではありません。
誰にも気付かれにくい、陰湿で、少しずつ心を削るような形で行われることがあります。
「これくらいなら我慢すべき」が一番危険です
教職員は職業柄、
「先生だから我慢しなければ。」
「感情的になってはいけない。」
そう考えてしまう方が少なくありません。
その結果、小さな嫌がらせを一人で抱え込み、誰にも相談できないまま心身の不調につながることがあります。
しかし、教職員だからといって、不当な嫌がらせまで受け入れる必要はありません。
陰湿ないじめは、気付きにくい形で行われます
例えば、
- SNSで実名を出さずに「分かる人には分かる」投稿を繰り返す
- 保護者同士のグループチャットで特定の先生の悪評を広める
- 学校へ何度も匿名の苦情を送る
- Googleの口コミなどに事実確認が難しい内容を書き込む
- 教職員の写真や授業風景を無断で投稿する
- 一人の先生だけを名指しして過剰な苦情を繰り返す
一つひとつは小さな出来事に見えるかもしれません。
しかし、それが何か月も続けば、教職員にとって大きな精神的負担になります。
「指導への意見」と「人格攻撃」は違います
学校には、保護者から意見をいただくことがあります。
その中には、学校運営を改善するうえで大切なご意見もあります。
一方で、
「先生として失格だ。」
「辞めた方がいい。」
「この先生には子どもを預けられない。」
など、人格を否定する発言は、建設的な意見とは言えません。
さらに、そのような発言をSNSで繰り返し拡散する行為は、教職員個人に深刻な影響を与えることがあります。
学校は「先生なら耐えられる」と考えてはいけません
教職員は教育の専門家ですが、心を持つ一人の人間でもあります。
繰り返される誹謗中傷や嫌がらせによって、
授業への自信を失う。
出勤が苦しくなる。
休職や退職を考える。
このような状況になることもあります。
学校が「本人の問題」と考えてしまえば、優秀な教職員ほど静かに現場を去ってしまう可能性があります。
教職員を守ることは、子どもたちを守ることでもあります
安心して働ける環境がなければ、安心して学べる学校もつくれません。
だからこそ学校には、
- 教職員が相談しやすい体制を整えること
- 苦情対応を一人に任せないこと
- 組織として対応方針を共有すること
- 必要に応じて教育委員会や専門家と連携すること
が求められます。
教職員を守ることは、学校の質を守ることにつながります。
最後に
学校には、保護者からの率直な意見が必要です。
その声は、教育をより良くするきっかけになります。
しかし、人格を傷つけることや、特定の教職員を孤立させるような行為まで正当化されることはありません。
見えにくい嫌がらせほど、周囲が気付きにくく、本人も助けを求めにくいものです。
だからこそ学校は、「先生だから耐えられる」という考えを改める必要があります。
教職員が安心して教育に専念できる環境を守ることは、結果として子どもたちが安心して学べる学校を守ることにもつながります。
誠実な意見には真摯に耳を傾ける。一方で、不当な誹謗中傷や陰湿な嫌がらせには、組織として冷静かつ適切に対応する。その姿勢が、これからの学校に求められる危機管理だと、私は考えています。



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